穴守稲荷神社献灯祭

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献灯祭とは健康や商売繁盛などの願いを託し、ご加護や神恩への感謝の意を込めて灯明を奉納する毎年恒例の神事だ。初日は午後6時から本殿で祭典が行われた後、参道、境内は千基近い行灯に灯が灯される。普段は闇夜に包まれている参道は行灯が幾重にも連なり、幻想的な空間へと誘う。点灯時間は午後9時までで、事前に申し込みすれば自分の行灯を奉納することも出きる。金曜日、土曜日とも境内で輪踊り(盆踊り)が開催され、日曜日9時からは「いなり市」が行われる。
 
穴守稲荷神社  祭神・豊受姫命(とようけひめのみこと)   文化文政の頃(1804)、鈴木新田(現在の空港内)開墾の際、沿岸の堤防がしばしば激浪のため決壊し大穴があき、海水が浸入した。そこで村人達が相談し、堤防の上に一祀をまつったところ、それから風浪の災もなく、作物がよく稔った。「風浪が作った【穴】の害より田畑を【守】り給う稲荷大神」と神徳を称え、【穴守稲荷神社】となった。明治以来、大正・昭和を通じて隆昌を極めたが、敗戦と云う未曾有の大混乱の中、米軍により羽田空港拡張の為、48時間以内の強制退去を命ぜられた。地元崇敬者有志により境内地700坪が寄進され、現在地に座した。
 
 
献灯祭風景  2008年は8月22日、23日に行われ私は22日(金)に見学に行った。鳥居をくぐると参道には3段重ねの行灯が飾られ、境内には周りを行灯に囲まれて、眩いばかりの照明を四方に張った盆踊りの櫓が設けられている。江戸時代、地口行灯は稲荷神社の初午祭には欠かせないものだったが、穴守稲荷の献灯もこの流れを汲むものだろうか?もっとも、ここの行灯には地口言葉や地口絵は全く無く、思い思いの絵が描かれ、右脇面には「神恩感謝」「商売繁盛」「家内安全」「交通安全」「身体健全」「心願成就」などの願い言葉、左側面には奉納者の氏名が記されている。午後6時半、献灯祭祭典が終わると手に手に提灯や蝋燭を持った氏子や役員が拝殿から出て来て、1000個と言われる境内の奉納行灯の一つ一つに火のついた蝋燭を入れて廻る。沢山の行灯の一つ一つに皆で手分けして灯を入れるこの素朴で丁寧な作業は穴森稲荷献灯祭ならではのものだろう。神恩、ご利益、きっと霊験あらたかなものがあるだろう。午後7時。櫓の周りに各地婦人会の踊り手が集まりそれぞれ揃いの浴衣掛けで太鼓と音頭に合わせて櫓を中心に輪になって踊り始める。いずれ一般の人も参加するのだろうが久しぶりで盆踊り風景を見ることが出来た。
 
境内に飾られた1000個と言われる行灯
行灯の一つ一つに蝋燭を入れて廻る
行灯には思い思いの絵が描かれている
グループ毎に揃いの浴衣で達者に踊る
 
8月下旬金・土曜日   穴森稲荷神社(℡03-3741-0809
              大田区羽田5-7(京浜急行空港線・穴守稲荷)
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