役目を終えた筆に感謝し、書道の上達を祈願する「筆供養」

菅原道真公を祀る天神社の縁日は毎月25日で特に正月最初の縁日は初天神と言い、各天神社では様々な行事が営まれる。亀戸天神の鷽替え行事は有名だが、道真公が学問の神、書道の神と崇められることから多くの天神社で筆供養が催される。

筆供養は役目を終えた筆に感謝し、また、筆作りのために毛を提供してくれた動物達の供養を行うとともに書道の上達を願って浄火の中に筆を投じる行事だ。谷保天神では1月25日またはそれに近い日曜日の午前10時に書道の上達と学問の向上を願う勧学祭を社殿で斎行し、その後、筆塚の前に設置したお焚き台に神職が点火、人々は使い古した筆をお焚き上げして筆の供養を行うと共に書道の一層の上達を祈願する。

筆塚
江戸時代の寺子屋の子供たちが、文字の上達を願って使い古しの筆を埋めたという

古筆を供える
書道関係者なのだろうか、沢山の古筆を棚に供えて手を合わせる人が後を絶たない

お祓いをする
拝殿での祭儀が終わり筆供養斎場に現れた神官がお祓いを行う

筆をお焚き台へ移す
神官2人が棚に供えられていた筆をお焚き台に移す

点火
お焚き台に移された古筆に神官がマッチで点火する

燃え盛る
火は勢い良く燃え上がり、その後訪れる人は直接この焔の中に筆を入れ手を合わせる

谷保天満宮
東日本最古の天満宮で、亀戸天神社・湯島天満宮とともに関東三大天神の一つ。903(延喜3)年に菅原道真の三男・道武が、父を祀る廟を建てたことが始まりだ。道真公が醍醐天皇の勘気にふれ大宰府に流された時、三郎道武は僅か8歳で谷保に流されてきたが、父を偲んで彫った木像が谷保天満宮のご神体と伝えられ、この天満宮には全国でも珍しく、道真、道武、2柱が祀られている。

筆供養

日本には人形供養、針供養、扇子供養など使い古した道具に感謝する祭りが数々あるがこの筆供養も同じ発想に基づくものだろう。物に感謝するという優しさは日本人独特のものではなかろうか。境内筆塚の前が四方注連縄を回らした斎場となっていて、供棚の上には使い古した筆が供えられ、引き続き古筆を供える人たちが後を絶たない。

午前10時過ぎ、谷保天神奉賛会関係者や国立市の書道関係者が拝殿に上がり、勧学祭と筆供養祭の祭儀が始まる。祝詞奏上、玉串奉奠などの式事が終わり10時半、神官3人が参列者を従えて筆供養斎場に入場する。

お祓いを済ませた後、神官が棚に供えられていた古筆をお焚き台に移して点火する。火は燃え盛り、この後古筆を持参する人たちは直接お焚き台にいれて書道の上達を祈る。

基本情報

日程: 1月25日に近い日曜日
アクセス: JR南武線・谷保駅
場所: 谷保天満宮(国立市谷保5208)
連絡先: 042-576-5123

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