平溝天之社獅子舞

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天之社の祭礼に五穀豊穣と悪疫退散を祈願して奉納される村回りの獅子舞が「天之社獅子舞保存会」によって継承されている。安政年間(1854~59)から伝わると言われ、大正年間に神奈川県相模原市当麻から師匠を招いて舞の整備をしている。青梅を含め奥多摩地方の獅子舞は三匹の獅子舞が殆どだが天之社獅子舞は雌獅子一匹だけの獅子舞だ。宵宮の土曜日には天之社神前で午後7時から、翌本祭りでは獅子舞一行が家々を悪魔払いをしなが巡回し、この間、午前10時半から5丁目第2自治会館で、午後2時からは5丁目第1自治会館で獅子舞を奉納する。この優れた伝統芸能である獅子舞は昭和45年に青梅市の無形民俗文化財に指定されているが保存会メンバーの高齢化とともに継承者に悩みを抱えているという。
 
下がり葉の舞 獅子舞は「下り葉」「大幣(おおぬさ)の舞」「剣の舞」「鎌倉の舞」の4番からなっている。「下がり葉の舞」は2人立ち。
 
大幣(おおぬさ)の舞  1人立ち、「身に3尺の大幣を持ち悪魔を祓う」という口上で始まり右手に鈴、左手に白幣を持って舞う。獅子舞は、獅子2人と1人、締太鼓と大胴の2つを受け持つ太鼓、笛が数人、鉦、三味線2~3人、地謡の囃子方で構成されている。
 
剣の舞 1人立ち、「身に三尺の太刀を持ち奉る」で始まり「納める太刀こそめでたけれ」の口上で終わる。
 
鎌倉の舞 「鎌倉」は「そもそもお獅子の始まりは」で始まり「ソレソレソレソレト」とか「ヨイヨイヨイト」「それからどうした」などと囃す。途中で哀愁を帯びた子守唄が歌われ、これに合わせ女獅子が表情豊に舞い所作をする。鞠と戯れる場面でも見事な演技をみせるこの舞手は、私に色々話をしてくれた原島俊夫さんの後継者で、少なくと20年の経験を積んでおり近所の吉川記念館の記念行事にも出演したそうだ。獅子舞観客も僅か2~3人という淋しさだったが、こんな山村にこのような素晴らしい伝統芸能が残されていることは驚きで、何とか何時までも後世に継承していってもらいたいものだ。
 
村回りとおもてなし 以前は、悪魔払いをしながら数軒の家で獅子舞を舞っていたようだが現在は舞は2つの自治会館でのみ演じられていて、個人の家へはお払いだけの村回りになっている。獅子頭が御幣と鈴を鳴らし鉦や太鼓がこれに唱和して悪魔を払う。お払いを受けた或る家では食べ物にお茶やビールを振る舞って獅子舞一行をおもてなしする。村周りといっても、土地不案内の私が道を尋ねる人も見当たらず、やっと見つけた雑貨屋でも獅子舞のことを知らない、高水山登山道に近い全くの山村で急坂が多く、高齢化する獅子舞一行にはかなりの負担となるようだ。
 
4月最終日曜日   天之社(0428-78-8618天之社獅子舞保存会長・新井正治様)
青梅市二俣尾5-1615(JR青梅線・軍畑)
 
 
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