大般若

大般若経の除災招福のご利益と雷不動明王の諸悪魔降伏の威光を兼ね備えた由緒ある伝統行事だが、紅白粉をつけ、女物の長襦袢で女装した若衆が、大般若経600巻を100巻づつ入れた経箱を寺から担ぎ出し、町内各戸を走り廻って悪魔払いをするところに特徴がある。家々では玄関先に莚を引き、酒肴の用意をしてこの集団を歓迎する。口々に「おめでとう御座い」とさけぶのは、大般若会が正月行事だった名残だ。江戸川区無形民族文化財の指定を受け、雷友会という保存団体が安政年間からの伝承奇習行事を守っている真蔵院の本尊は不動尊、葛西沖で時化に会った漁師が真蔵院の松にいた龍の発する光で助けられ残された剣を不動に供えたところから波切り不動、その不動が大雷雨の時に雷を退治したことから雷不動と呼ばれている。

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女装の若衆、経箱を担ぎ、町を走る  先頭に浄めの役が手桶に入った塩水を笹の葉で撒き進み、次におひようご箱(釈迦如来を中心に文殊、普賢の二菩薩と般若守護十六善神の曼陀羅の入った箱)が続き、ついで不動明王の大宝剣2振り、次に前後2人の若衆に担がれた大般若経、その後にお供物やお札を持った世話人がついて行く。
 
経箱など  若衆達に担がれる般若経が入った経箱など。
 

 
接待されている若衆達  走りこまれた家では莚に酒肴の用意をして若衆達を歓迎する。若衆たちが口々におめでとう御座居、おめでとう御座居と連呼するのは大般若会が正月行事だったことの名残。
 

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真蔵院に勢揃いした一行 近所でお化粧を終えた若衆達は揃って入場し、浄めのお神酒に「ヨ・ヨイのヨイヨイ」の手拍子で威勢をつけ町へ繰り出す。
 
華やかな休憩時  カラフルな長襦袢で花が咲いたよう。
 
葛西(かさい)の地名  下総国葛飾郡南部のうち大日川(現在の江戸川)より西側の地域を葛西といった。平安時代末期に桓武平氏の内千葉氏の一派がこの地域に寄り、葛西氏を名乗った。葛西氏は源頼朝の蜂起に呼応してこれに合流し、後に東北地方の戦国大名となり、現在東北地方に多く見られる葛西姓の由来になっている。
 
 
江戸川の地名  古くは「太日川(ふとひがわ)」と呼び上流は利根川で、世俗〝坂東太郎〟と呼ばれた。江戸初期新たに運河を掘って旧利根川(太日川)に繋いで分流にし、東北・北関東の物資を江戸へ運ぶ運輸流通ルートとすると〝江戸へ至る川〟の意味で「江戸川」と俗称され明治以後に正式名称となった。
 
2月最終日曜日   真蔵院(03-3680-4853
(江戸川区東葛西4-38-9、地下鉄東西線・葛西)
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