大門の天王祭

「板橋の田遊び」として国の重要無形民俗文化財に指定されている諏訪神社の境外末社、須賀神社の祭礼が毎年15日前後の土・日曜日に行われ、宮本重義作、台座寸法3尺(91)延軒屋根・平屋台造りの神社神輿が午後2時に出御、氏子地域を巡幸の後、夕方宮入する。荒神、素盞雄尊の祭にふさわしく渡御時には神輿の胴に晒を巻いて荒っぽく揉む担ぎが特徴で大門の天王祭と呼ばれている。

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大門の天王祭を見て    出御前 都営三田線の高島平駅付近は見渡す限り高層マンシヨンだらけで、かって周辺が穀倉地帯だったことが信じられない。新高島平駅を降りて神社に向かう途中は整備された大きな道路で歩道も広く歩きやすい。高速の高架をくぐると、神社までだらだらの上り坂が続き、梅雨の晴れ間の30度で汗が吹き出てくる。午後1時ごろから行事が始まると言うので少し早めに行ったのだが、屋台や露店はおろか、通常見られる神輿出御前の賑やかさは全く無い。お仮屋に据えられている神輿の横に2~3人が座っているだけでお祭りの雰囲気は全く感じられない。
 
お仮屋から神輿を出す
荒振りに備え神輿の胴に晒しを巻く
須賀神社社前でお祓いを受ける
 
宮出し 1時過ぎになり子供達と半袖無地の白半纏に白半パンツ、白地下足袋の担ぎ手達がぼちぼち集まり出した。午後1時半、お仮屋の神輿を出して渡御の準備が始まる。横棒や飾り紐の取り付けが終わると荒っぽい渡御に供えて神輿の胴と棒の結び目に晒しを巻き、最後に「麻」を神輿の胴に巻く。「麻」は魔よけとしてよく使われ、ここの担ぎ手達は襷の代りに麻を肩からかけている。出御の準備が整うと全員、須賀神社前に集合してお祓いを受け、先ず大勢の子供達に引かれて太鼓が出発するが神官が先に道を祓い清める。そして子供神輿だ。子供達は神社に来て、祭り半纏を纏うのだが女の子も含め高学年の小学生が見立つ。暫く時間を置いて大人神輿の出発だ。三本締めで上がった神輿は先ず須賀神社社前に向かい、それからUターンして宮出しされる。
 
子供達に引かれ先ず太鼓が出発
次いで子供神輿が 
 
神社にお参りしUターンして宮出しだ
 
自分達のムラは自分達で守る   ここの特徴は担ぎ手は大門の住民に限られ他の睦の応援は一切受け付けないことだ。魔除け厄除けの行事だけに「自分達のムラ」は自分達の手で守るという「ムラ意識」が根づいているのだろうか?それだけに数少ない担ぎ手で大門地域を巡幸するのは大変だ。そのせいか、とにかく神輿のスピードが速くて脚立に立つゆとりさえ無い。道順を聞いて先回りをしてやっと町廻りの写真が撮れたほどだ。だが、サラシを神輿の胴体に巻くほどの「荒振り」は今のところ見られない。境内外末社とは言え、「板橋の田遊び」で有名な神社の神輿祭りなので、ある程度の賑やかさを予想して訪ねたのだが、外部の人間は私1人という全くのローカルな祭りを経験できて嬉しく思った。
 

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天王祭  医学の発達していなかった昔は疫病の流行は最大の恐怖で、ひとたび疫病が流行すれば多くの命が奪われ村全体が全滅の危機に瀕することも稀ではなかった。平安時代中期、疫病除けの神である天王信仰が盛んになり京都の八坂神社の祭神、牛頭天王が各地に勧請されて広く信仰されるようになり疫病が発生しやすい旧暦6月頃には各地で天王祭が行われた。素盞雄尊は荒い神なので天王祭も荒っぽく神輿を担いだり八坂の祇園祭に習って派手な祭礼が行われた。素盞雄尊は荒神で知られるが天の岩戸の後、出雲の国に下り、八俣の大蛇を退治して苦しんでいた村人を救い、また、出雲地方の開発繁栄に力を注いだ。牛頭天王の別名を持ち天王さまとして、八坂神社、八雲神社、須賀神社、氷川神社などの名で全国で疫病除けの神として崇められている。
 
須賀神社  須佐之男命が出雲の国の簸の川上に八俣の大蛇を討ち平らげ「吾れ此の地に来たりて心須賀、須賀し」と言って宮居を占めた故事 に基づき名付けられた名称という。大門の須賀神社は諏訪神社の南約100㍍の一見ただの広場風敷地に鎮座していている。ここは、かっては諏訪神社の境内に繋がっていて敷地内にはその頃の塀や柵の跡も残っている。諏訪神社の参道は長く現在「乳の木様」と呼ばれている「こぶ欅」付近が境内の入口だったという。
 
大門の町を巡幸する神社神輿  担ぎ手は大門の住民に限られ白装束にアサの襷がけ
 
大門の地名  3代将軍家光は、鷹狩りのたびによく三宝寺で休憩した(徳川実紀)。だから三宝寺の山門を御成門(おなりもん)と呼ぶ。地名の大門は、その御成門に由来する。中世石神井城の大手門に起こるという説もある。
 
7月15日前後の土・日曜日   須賀神社(℡03-3938-6400諏訪神社)
             板橋区大門6(都営三田線・新高島平)
 

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