はなしずめのまつり(鎮花祭)

桜の花が終わるころに散りゆく花に悪霊がはびこるとされるため、疫病の流行を鎮める祈りをこめて鎮花祭が行われる。この日は神饌として、薬草として知られる「忍冬(にんどう)」や「百合根」などを供え、信者も参加して式典を行う神社もあるが、 稲荷鬼王神社では18日にさくら草を神前に供えて鎮花の祭典を行い、以後月末まで「江戸の花」といわれる「さくら草」の鑑賞会を催している。江戸時代、神社周辺は植木屋の町でこの日になると植木屋が自分が育てたさくら草を神社に持ち寄ったと言うが、その風習も何時しか廃れ、野草を愛した15代宮司の時代に神社自らがさくら草を育て、今日の「はなしずめのまつり」の姿になったという。5段に置かれたさくら草が、美しく可憐な花を咲かせて訪れる人の目を楽しませている。

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花鎮めの祭り  2000年来の古式ゆかしい神事で、無病息災を祈る祭りだ。春たけなわの春花飛散・百花繚乱の時節を迎えると、疫神が分散して流行病を起こすと考えられていたので、これを鎮圧するため行われていた。昔から、木の芽時、5月病などの言葉に表されるように、4月から5月にかけて春の花が飛び散る頃は、気候が不順だったり、新しい環境に慣れなかったりと肉体的にも精神的にも不調になる時、 病から身を守るためにも薬草を神前に供えて無病息災を祈願したのが鎮花祭だ。『大宝令』(701)には、国家の大祭として毎年必ず行うよう定められ、「国民の無病息災を祈願した」と記されている。「のどかなる 春のまつりの花しづめ 風おさまれとなほ祈るらし」(新拾遺和歌集)の古歌にも出てくる。
 

稲荷鬼王神社  大久保村にあった承応2年(1653)創祀の稲荷神社と、宝歴2年(1752)紀州熊野より鬼王権現(月夜見命・大物主命・天手力男命)を勧請した鬼王神社が、天保2年(1831)に合祀し、稲荷鬼王神社となった。「鬼王」という名のつく社寺は全国で当社しかないため、厄除福寿の鬼の王様の名を持つ全国唯一の宮として、江戸時代には地元民、武士や商人、職人と多くの人が参拝したという。湿疹・腫物などの諸病一切に、豆腐を献納し、治るまで豆腐を断ち、当社の「撫で守り」で患部撫でると治癒するといわれ、また、参道にある「かえる石」に水をかけ、参拝後、『かえる石』をさすると、金運・良き嫁が「かえる」ともいわれている。例大祭前後の休日に出御する御輿は、鬼面の彫られた珍しい神輿だ。鬼は神であり力の象徴で、全ての災禍を祓うということから当社の豆まきは「鬼は内、福はうち」と唱えて豆をまく。

 

5段棚に飾られたさくら草 
秋の装い
旭鶴
美女の舞 
 
江戸の春
五大州
白鳥の契り
初烏
娘心
 

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さくら草の展示  丹精こめてさくら草を育てているのは、宮司のお母さんの大久保萌子(たみこ)さん。約250種あまりを育てているが枯れたり花が育たなかったりするのでどうしても1種に2鉢は必要で社務所の屋上に600鉢のさくら草を丹精しているという。夏の暑さを避けたり、種を絶やさないように工夫するのがなかなか大変のようだ。展示会は、花の咲いた鉢から順番に入れ替えて出していて4月30日まで開催される。
 
さくら草   桜に似た小さな草花で桜の花が散り始める頃から清楚で可憐な花を咲かせる。もともとは高原地帯の湿った草原に生える野草だが、今から300~400年前に荒川の原野に上流から種子が流れてきて増えたというさくらそうの群生があり、江戸の人々は武士町民の差無く花見に出かけた。しかし時代とともに市街地の拡張で桜草の姿は失われ現在ではさいたま市西郊田島ヶ原だけが国の特別天然記念物の指定を受けて、かろうじて往時の面影を留めている。桜草の栽培は寛文年間(16611~1672)から始まったと言われている。栽培は先ず旗本や御家人などに広まり文化・文政時代(1804~1830)には愛好家のグループが幾つも出来て品種改良に夢中になったのは有名な話だ。愛好家グループは「連」と呼ばれ、それぞれの「連」は自分達が作り出した品種はおろか栽培法の一切を門外不出にしてしまった。明治時代に入ると、西欧の花がもてはやされるようになり、桜草は次第に忘れられた花となったが近年、その日本的な美しさが見直され愛好家が増え続けている。江戸時代は1000種とも3000種とも言われた桜草の品種は現在では約300種を残すのみだ。鬼王神社 ではそのうち250種あまりが保存されている。
 
 
4月18~30日   稲荷鬼王神社(℡03-3200-2904 )    
新宿区歌舞伎町2-17-5 (都営大江戸線・東新宿、西武新宿線・西武新宿、JR・営団丸ノ内線・新宿

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