南沢の「天王祭」

南沢氷川神社、境内末社八雲神社の例祭は毎年7月15日に行われるが、江戸時代に疫病が起こり、その災い除けのために始められたものと言われている。祭には以前は駅の周辺まで神輿が巡幸していたが昭和30年半ばに中止され、平成9年に復活して、この時、直径3尺3寸の市内最大の大太鼓が新調された。15日に近い土曜日(雨天の場合日曜日)の午後2時から祭礼式典が終わると、祭客が順番に厄除けを祈願してこの大太鼓を代わる代わる打ち鳴し、子供神輿が境内を練り歩く。拝殿前に飾られていた大人神輿も氏子役員達によって境内を巡幸するが町内渡御は行わない。露店の屋台も出ない全くローカルな祭りだが境内の周囲にはござが敷かれ氏子や周辺住民が子供連れで色々な催しを見て楽しんでいる。神官のお話しでは、現在の役員達は自分達が子供の頃に賑やかだったこの天王祭を、何とか昔の姿に戻し伝えたいと、今の子供達に期待して年々積み重ねて来ているとのこと、子供神輿を中心にしたこの祭りの賑わいを見ていると、その願いは子供達が生長する数年後、必ずや実現するのではないかの思いを強くして境内を辞した。

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氏子や祭り客が順番に厄除け大太鼓を打ち鳴らす
祭り半纏を着た可愛い子供も負けじと叩く
 
厄除け太鼓  34度という猛暑日に近い暑さの中で迎えた南沢天王祭だが、神社周囲の木立ちが大きく陰を作り、まさに緑の屋根の下で行事が進められてさほどの暑さは感じられない。午後2時になると神官による大大鼓を合図に祝詞奏上、お祓い、玉串奉奠と例祭式典が進められる。式典が終了すると参列者や祭客による「厄除け太鼓」が打ち鳴らされる。3尺3寸の大大鼓の音は市内まで大きく響き道不案内な私はその音を頼りに神社に辿り着いたほどだ。脇に小太鼓もあり子供達も懸命に撥を振るう。社務所前にはサービスコーナーも設けられて客にビールやコーヒーなど飲み物を提供している。
 
境内をひと回りし拝殿前で差し上げられる子供神輿
チャッパをガチャガチャ叩きながら境内を練る大人神輿
 
神輿の境内渡御  厄除け太鼓が打ち鳴らされているうち、子供神輿の境内渡御が始まる。土曜日の午後とあって近所の子供達が大勢集まり、何人かの大人の手も借りて境内を練り歩き、最後は神輿を差し上げる。和太鼓グループ「楽鼓」(RAKKO)の賑やかな演奏が終わると、大人神輿の境内渡御だ。揃いの半纏を着るでもなく全く普段の服装のままで氏子役員達が神輿を担ぎ上げ、境内を一回りするのだが、変わっているのは神輿の3側面に「チャッパ」と呼ばれる銅製の鏡が付いていて、このチャッパをガチャガチャ叩きながら担ぎ回ることだ。大拍子という馬の皮を張った〆太鼓を神輿の横に付けて叩きながら進む城南神輿は品川地区で度々お目にかかっているがこのチャッパは初めてだ。大人・子供神輿とも昔ながらの型で、明治時代に地元大工により原木から作られ結構重たいものだそうだ。両御輿とも平成9年に大大鼓が新調された時に塗り替えられた。
 

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南沢氷川神社  祭神、素戔鳴尊(すさのおのみこと)櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)大己貴命(おおなむちのみこと)黒目川支流の落合川上流「南沢緑地保全地域」の湧水地に鎮座していて境内の前後を川に囲まれた高台に位置している。付近は沢頭という湧水群で、古来より湧水守護神として奉斎され、出雲「斐伊川」の故事にならい、氷川神社を創立したものと伝えられている。東久留米の全神社は当社の神主栗原氏が兼務している。
 
南沢湧水 「南沢緑地保全地域」の中にあり、東京都緑地保存地域に指定され、一年を通して豊富な湧水量(一日約1万トン)が湧き出て都内最大の湧水量とされてる。水源は南沢緑地全体から湧き出ていて東京都水道局の南沢給水所がある。湧水は神社前の宮前橋を過ぎ、多聞寺前の毘沙門橋近くで落合川に合流し魚(ハヤ)、ザリガニ、アメンボが生息し、「ホタルを呼び戻す会」を初め多くの市民団体の活動により、貴重な自然が守られている。
 
東久留米の地名  明治22年に現在も市内の地名として残っている8つの村(神山村、門前村、落合村、南沢村、小山村、下里村、柳窪村、前沢村)と2つの新田に田無の飛地が集まって「久留米」村が誕生したが、その名称は市内を流れる「久留米川」から付けられたというのが一般的な説。現在の黒目川は、江戸時代の文献や石碑に「久留目川」、「来目川」、「来梅川」と書かれ、明治政府が編纂した『皇国地誌』には「久留米川」と記されている。普段親しまれていた川の名前が村名になるほど東久留米は水の豊かな場所で、昭和45年)に市制が施行されたが、福岡県久留米市と行政的な混同を避けるため、また、当時、町民から親しまれていた駅名の「東久留米」を希望する声も多く、現在の市名が決定された。
 
7月15日頃の土曜日または日曜日   八雲神社(南沢氷川神社境内末社)(0424-71-1542
東久留米市南沢3-5-8(西武池袋線・東久留米)
 

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