のらぼうまつり

のらぼう菜は菜花の一種で、五日市周辺では江戸時代に伊奈備前守がタネを配布して栽培をすすめ、天明・天保の飢饉のとき、このおかげで多くの住民が餓死から免れたとされる。このことを記念する「野良坊之碑」が子生(こやす)神社境内に建てられていて毎年3月最終日曜日に「のらぼうまつり」が催されている。当日は地元の小中野囃子保存会の奉仕演奏、先着50名に五日市のらぼうの無料配布、のらぼう味噌汁のサービスなどがあり、茹でて刻んだのらぼうを餅に混ぜたのらぼう大福、のらぼうおやき他色々な店が出て境内は賑わう。

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子生神社  祭神は猿田彦神・木花開耶姫命。例大祭4月第3日曜日で永正元(1504)年創建という。子孫繁栄、安産子育の神として広く崇敬され、妊婦が清水の流れるように安産を願って奉納した底の抜けた竹柄杓が拝殿に懸けられている。また、願い事が記された都内では珍しい竹の絵馬も沢山吊るされている。
 
野良坊菜之碑  「明和4年(1767年)に東郡代伊奈備前守が地元名主小中野四郎右ェ門と網代五兵衛に命じ、近郷12村にのらぼうの種を配布し作らせた。このお蔭で天明、天保の飢饉に、この地方の住民は救われた。冬や春先の端境期に野菜が少なかったという理由から植えさせたようだが、結果的に村人たちを飢えから救った救世主になった」という事実が刻まれている
 
野良坊菜之碑
子生(こやす)神社
 
沢山の底無ひしゃくが
安産の願い事が記された竹の絵馬
 
子生神社、野良坊菜之碑を拝観して  天明、天保の大飢饉を救った「のらぼう」を冠につけた祭りというので興味を持ち、あきる野市の紹介を受けて、乙調さまに電話でお話しを伺い取材に出かけた。場所は桧原街道の西小中野停留所の先、沢戸橋方面との三叉路を左折した直ぐ右側子生神社の境内だ。武蔵五日市駅から1時間に2本のバスなので、少し早めに着いたが街道両側には緑の祭旗がずらりと並び、まつり気分を盛り上げている。会場の門をくぐるとグリーンの揃い着の皆さんがテントを張ったり品物を並べたりで大忙しだ。開会は10時からというので、先ず、子生神社にお参りした。都内の神社のように参道や境内、階段はコンクリート固めではなく、拝殿前の階段も自然石を使っていて何故か懐かしい感じだ。拝殿前には安産を願う「底無ひしゃく」が並び、安産の願い事が記された都内には珍しい竹の絵馬が沢山吊るされている。安産の神様として近郷近在に信仰されている様子が良く分かる。それから飢饉を救った記念碑を拝観に行った。赤白幕に囲まれた碑には細かい字で文字が彫られているが読解不能だった。
 
のらぼうまつり開会式、ここでは旗も役員の
着衣も「のらぼう」を表す緑色が使われている
のらぼうの無料配布をはじめるよ!開会式が終わると鐘を鳴らして先着50名に知らせる 
「五日市のらぼう」の種取りは品質保存のため、自然
交配を防げる市内山間地の女性が受け持っている
 
「のらぼう味噌汁」  この明るいさわやかな笑顔!
のらぼう大福は人気の的

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のらぼう菜  あきる野市では、江戸時代から春を告げる味覚として「野良坊菜」を栽培していた。野良坊菜は、アブラナ科の野菜で、成分は、ほうれん草や菜の花と同じく ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでいることが特徴だ。タネ採りは、「五日市のらぼう」の優れた品質保存のため、自然交配を防げる市内山間地の高齢女性がうけおってきた。9月にタネ播き育苗して、2月末から3月の収穫となる。五日市で「のらぼう」の栽培が始まったのは江戸時代初期頃。地元の名士として今でも人気の伊奈備前守が、この「のらぼう」栽培を奨励した
 
のらぼうまつり見学記  会場に戻ると丁度、開会の挨拶が行われているところだった。鐘が鳴り先着50名に対する「のらぼう」の無料配布が始まり、ご婦人の役員が「のらぼう味噌汁」を役員や各係の方々に配り始めた。私もご馳走になったが美味しくて冷え切った体が温まる。「今朝取立て五日市産のらぼう菜」がよく売れている。新鮮なこの地域産のらぼうが優れた品質ということを皆が知っているからだろう。真ん中のテントで搗き上がった餅を使い今、出来立ての「のらぼう大福」には行列が出来ている。「手作りケーキ」「しいたけ」「本日限りの柚子ジュース」「籠を主とした竹細工」など、地元の人たちが今日のために準備した色々な店も出ている。舞台では地元の小中野囃子保存会のお囃子が会場を盛り上げ、これに合わせてオカメさんが踊っている。昔、地域住民を飢餓から救った「のらぼう」、考えてみればこれほど現実的な救世主は滅多にあるまい。神であり仏であって記念の「まつり」が行われる意味がわかる。それに昔はまつりは神を祀る大事な行事であるとともに、人々が一緒になって楽しむ日でもあった。手分けをして共同作業を行い多数の客を集めている皆さんを見ていると世代の変化と共に変るまつりについて考えさせられる。のらぼうまつりは始まったばかりで、これから賑やかになるのだろうがバスの時間が気になり乙調さまにご挨拶をして11時前に会場を辞した。乙調さまには色々お世話になり心からお礼を申し上げると共に、このまつりが、ますます盛大に発展されることをお祈りします。
 
 
3月最終日曜日   子生神社(℡0425960158乙調「おとくに」様)
        あきる野市小中野187(JR・五日市西東京バス→西小中野)
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