かって絹は日本の重要な産業で、各地で養蚕が盛んに行われた。今では養蚕を営む農家は殆ど無くなってしまったが、まゆ玉飾りの風習だけは各地に伝承されている。 まゆ玉飾りは、新しい年の初頭、小正月に米の粉で、繭形や丸い形の団子、農作物の形をした団子を作り、柳、樫、梅などの木の枝に挿して、養蚕や農作物の安全、豊作を田畑の神に祈願した農村の伝統行事だ。 平成5年に最後の1軒が養蚕を止めたといわれる羽村だが、その昔は耕地の7割までが桑園で、1戸あたりの産繭量では全国でも10指に数えられて養蚕の村として知られた。 現在、 …