八雲神社は八坂神社、須賀神社、素盞雄神社などと同様に、牛頭天王・スサノオノミコトを祭神とする神社で、社名は日本神話でスサノオノミコトが詠んだ歌「八雲立つ出雲八重垣妻籠に八重垣作るその八重垣を」の八雲に因むものだ。医学の発達していなかった昔、疫病の発生は最大の恐怖で神仏に祈るほか術が無く、厄病除けの神・牛頭天王の信仰は絶大なものだった。
疫病が発生しやすい6月頃には各地で(牛頭)天王祭が催されることが多く、葛西仲町八雲神社の祭礼も梅雨の最中の7月第1日曜日に行われ、3年毎の本祭り(2010年)には台座3尺の神社神輿が午前8時半に出御して氏子町の仲町町内を巡幸する。
葛西仲町八雲神社
葛西仲町八雲神社例大祭祝詞奏上
神輿の御霊移し
葛西仲町八雲神社祭礼見学記
東京メトロ東西線、葛西駅を降りて駅横を通る環七を東葛西方面に南下し新田仲町通りを左折すると間もなく右手に鳥居が見える。そう広くは無い境内には大小神輿を囲むように赤茶の揃い半纏の氏子の皆さんが祭礼が始まるのを待っている。その上、大勢の学童達が賑やかに飛び回っていて、まるで学校の行事のようだ。
聞けば、今日の子供神輿、太鼓山車、それに獅子頭の引役だそうで、こんなに大勢の児童達が日曜早朝から集まる祭りは初めてだ。午前7時半、氏子一同は拝殿の前に集まり、お祓い、祝詞奏上、玉串奉奠と例大祭神事が進行し、終わると神輿前に移動して神輿の御霊入れ儀式が始まる。宮司が神輿に御霊を移すと重ねてお祓い、祝詞奏上、玉串奉奠があって、いよいよ宮出しの準備だ。神輿の飾りを取り、壇上から鳴島総代長他役員の挨拶、注意、乾杯があって神輿が上がる。
行列の先頭は獅子頭で大勢の子供たちに引かれて進むが、この獅子頭は歴史を感じさせる立派なものだ。太鼓の山車を担当しているのは黒Tシャツの娘達で、両側から代わる代わる打ち鳴らしながら神輿の先導を務める。
発御式でのお祓い
行列の先頭は立派な獅子頭
太鼓の山車は黒Tシャツの娘達が担当
葛西仲町八雲神社神輿
大正13年に行徳・後藤直光の製作によるもので延軒屋根・平屋台造り、平成19年に修復工事。台座は3尺(91cm)。
子供神輿と神社神輿の宮出し
次いで子供神輿だが、通常、子供神輿は小さな子供達が親達に囲まれて進むので神輿が満足に写真に写らないのだが、ここでは衣装を黒のTシャツに統一した学童だけで担がれるので、神輿の全景も子ども達の表情も撮ることが出来た。
最後が大人神輿だ。御幣に先導されながら氏子9町会を巡幸し宮入は午後5時頃になるようだ。
子ども神輿
黒のTシャツに統一した学童だけで担がれ元気一杯。このお祭りの子ども達の数は東京一?
基本情報
日程: 7月第1日曜日
アクセス: 東京メトロ東西線・葛西駅
場所: 八雲神社(江戸川区東葛西8-5-12)
連絡先: 03-3878-7198