例大祭日は8月8日だが、近年社会の趨勢にしたがい、前後の土・日を大祭日としている。
土曜日には総代他氏子崇敬者参列のもと式典が執行される。日曜日には昭和58年に社殿復興25周年記念事業として氏子崇敬者奉賛のもとに新調された、台座2尺5寸(77)浅草・宮本重義作、黒漆塗り延軒屋根・勾欄造りの神社神輿が、蒲田氏子青年会担当のもと氏子地域9町会を練り歩く。
特に、JR蒲田駅前から神社宮入りまでの合同渡御では年々担ぎ手が多くなり盛んになっている。境内の仮設舞台では舞踊や詩吟など奉納演芸が上演され、多くの露店が並び、大勢の参拝客で賑わう。
氏子町内渡御と連合渡御
蒲田囃子に導かれ氏子地区を渡御した神社神輿は、午後、京急蒲田駅商店街を賑やかに通って行く。
何せ35度の暑さの下で担ぐので、担ぎ手交替のテンポも早く、神輿の先頭に担ぎ手グループの名前を掲げた看板を差し上げて、近辺地域から応援に駆けつけた担ぎ手たちはその看板に従ってしょっちゅう交替を繰り返しながら進む。
大勢の見物客と担ぎ手達が手を叩きながらアーケードの下を行くのでその賑やかさと華やかは流石蒲田随一の祭りだ。
4時からは町会の神輿と共に蒲田駅前大通りを連合渡御だ。5分前に地元和太鼓会「ひびき」の勇壮な太鼓演奏が通りをこだまさせ観衆の盛んな拍手を貰う。そして宮神輿が立ち上がると、通りに待機していた町神輿が一斉に担ぎ上げられて後に続く。
神田祭や深川の規模には及ばないのだが、祭が蒲田の夏の大きな行事として市民に愛されている様子が分かる。最後は大田区役所「くすのき連」の越中小原踊りが続き雰囲気がさらに盛り上がる。
蒲田八幡神社
祭神は応神天皇、創祀は不詳。慶長5年、蒲田村より新宿分村に当たり、鎮守の神として、行基作の神体三座のうち、春日の像一体を分かち祀った年を当社鎮座とさだめ、平成12年に鎮座400年祭を執行した。
昭和20年4月15日、戦災で社殿は灰燼に帰したが、氏子崇敬者の奉賛によって社殿が竣工し、昭和24年8月、新宿八幡神社を蒲田八幡神社と改めた。
蒲田には昔から伝わる郷土芸能がないので、蒲田氏子青年会の結成当時から、自分たちの手で何かを作り、後世に残したいと話し合い、試行錯誤を重ねながら練習を積んで、昭和53年になってようやく、蒲田囃子が正式に発足した。
今ではお囃子に獅子舞、面踊りも加えて、蒲田囃子寿獅子として活動し、諸祝いの席に呼ばれることも多くなった。
和太鼓会「ひびき」の勇壮な太鼓演奏
基本情報
日程: 8月8日前後の土・日曜日
アクセス: JR、京急・蒲田駅
場所: 蒲田八幡神社(大田区蒲田4-18-18)
連絡先: 03-3731-5216