その歴史は300年以上!大阪・岸和田だんじり祭の見どころ

9月の大阪のお祭りと言えば、岸和田のだんじり祭り。毎年楽しみにされている方も多いと思います。今回は、岸和田だんじり祭りの日程や会場、その見どころなどについて詳しくまとめてみました。大阪の熱気と活気を肌で感じられる、一年に一度のアツいお祭りをより楽しむポイントをご紹介していきます。

岸和田だんじり祭りとは

大阪府岸和田市で行われるだんじり祭りは、300年以上の歴史あるお祭りで、その起源は諸説あるものの、1703年(元禄16年)、当時の岸和田藩主であった岡部長泰が、京都の伏見稲荷大社を岸和田城三の丸に勧請し、米や麦などの五穀豊穣を祈願して行った稲荷祭がはじまりといわれています。

今では地域の結びつきを願うお祭りとしてその性格は変化しつつも、地元の人に愛されるお祭りであることには変わりありません。もともとは関西で知られたお祭りでしたが、平成に入ったころから全国的に有名なお祭りとなり、今では県外からもたくさんの人が訪れます。町会と呼ばれる組織がだんじりを所有しており、町会の中にはさらに年齢によって青年団など、細かくその役割が分かれています。

だんじり祭り 2016年の日程

岸和田だんじり祭は、毎年敬老の日の前の土日に行われる例祭です。また、10月にも開催されますが、正確には岸和田十月祭礼と言います。だんじり祭を見に行きたいなら9月、あの有名なやりまわしをなるべく混雑を避けて見たいという方は10月に訪れるのをおすすめします。

9月(岸和田だんじり祭)

試験曳き9/4(日) 14:00〜16:00
9/16(金) 14:00〜16:00
宵宮9/17(土) 6:00~22:00
本宮9/18(日) 9:00~22:00

10月(岸和田十月祭礼)

試験曳き10/2(日) 13:00〜17:00
宵宮10/8(土) 18:00~22:00
本宮10/9(日) 7:00~22:00

試験曳きは、言わば予行演習のようなものですがその迫力は本番さながら。本番よりは観光客も少なめなので、比較的混雑を避けてお祭りを鑑賞できます。

また個人的な感想ですが、土曜日の宵宮の開始直後と、日曜日の本宮の終了直前は、お祭りの始めと終わりという事もあり、みなさんの活気が増しているように感じます。迫力あるだんじりの雰囲気を楽しみたい方は参考になさってみてください。

最寄り駅、会場へのアクセス

会場に近い駅は南海線の岸和田駅と春木駅で、いずれも大阪の中心部から、急行で約30分の場所に位置しています。ただし当日は非常に混雑が予想されるので、岸和田駅と春木駅の中間にあり比較的空いている和泉大宮駅を利用した方が早い場合もあります。

だんじり祭りの会場は岸和田城周辺で大きく二つの地区に分かれており、一つが岸和田地区、もう一つが春木地区となります。賑わいをみせるのは岸和田地区となりますが、ゆっくり鑑賞したいという人は春木地区もおすすめです。

主に6つの役割から構成されているだんじり

それぞれのだんじりは、先頭から下記の6つの役割によって構成されています。

  1. だんじりの主動力を担う綱先・綱中
  2. だんじりに一番近い曳き手である綱元
  3. やりまわしの時のきっかけを作る前梃子
  4. 大太鼓、小太鼓、笛などを担当する鳴り物
  5. 後梃子に進行方向を指示する大工方
  6. 20~30人で構成されるだんじりの舵取りを行う後梃子

主に小学生から50代まで、それぞれの年代にあった役割を担当し、絶妙なバランスがあってこそ迫力ある見応えも生まれています。だんじりは、まさに地域に密着した、非常に結束力が求められるお祭りでもある点が、全国の観光客を惹き付ける魅力なのかもしれません。

見どころであるやりまわし

見どころはテンポにのっただんじりが曲がり角にぶつかると、方向転換するやりまわしです。他の山車のように慎重に角を曲がるのではなく、勢いよく走りながら直角に方向転換をするので、とても迫力があります。一見すると軽々しく方向転換をしているように見えますが、一つのだんじりの重さは約4トンにも及びだんじりをうまく方向転換させることは、決して容易ではないのです。

また結束力が求められるものでもあり、やりまわしのきっかけをつくる前梃子、舵取りをする後梃子などが一致団結してパフォーマンスを行います。お祭りが開催される2日間は、曲がり角ごとにこのやりまわしが行われ、まさに熱気と活気に包まれ見物客たちを魅了しています。

繊細な彫刻も見どころ

だんじり祭りの見どころといえば、やはりやりまわしが挙げられることが多いですが、それぞれのだんじりに施されている繊細な彫刻もまだ見どころの一つです。江戸時代のだんじりは政治批判に値するものを描くことが許されていなかったため、題材としては三国志などの中国の物語などが多く見られますが、明治時代に入ってからは自由に題材を選ぶことができるようになったため日本神話や太平記なども描かれています。

だんじりに施される彫刻は、他の山車は刺繍や飾り金具などが使われることが一般的ですが、大阪のだんじりは中漆塗りや金箔などは使わずに、シンプルに欅の木目を活かしています。人物、唐草模様、花などが見事に描かれており、物語がそこに展開されているのです。派手さよりも繊細さが感じられる彫刻はとても見応えがあり、だんじり祭りの見どころの一つとなっています。

だんじり祭りは、昼間の活気ある雰囲気も見ごたえがありますが、夜の灯入れ曳行も昼間とは一味異なる雰囲気を楽しむことができます。だんじりに約200個もの提灯がつき、暗闇の中で光る提灯はとても幻想的です。昼と夜で二度楽しめることも、だんじり祭りの魅力といえるでしょう。

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