三千院

Photo: Charlie fong (CC BY-SA 4.0)
京都市街から北へ約14キロ、大原の山里にひっそりと佇む三千院は、延暦年間(782〜806年)に伝教大師最澄が比叡山東塔に建てた円融房にその起源を持つ天台宗五箇室門跡のひとつです。皇族や摂関家の子弟が歴代門主を務めた格式高い門跡寺院で、幾度かの移転を経て明治4年(1871年)に現在の大原の地に落ち着きました。梶井門跡、梨本門跡とも呼ばれます。
往生極楽院(重要文化財)に安置された国宝・阿弥陀三尊坐像は、中尊の阿弥陀如来が穏やかに坐し、脇侍の観音菩薩と勢至菩薩がやや前かがみの「大和座り」という珍しい姿勢をとっています。これは臨終の際に往生者を迎えに来る「来迎」の瞬間を表現したもので、平安時代後期の浄土信仰の精髄を伝える傑作です。天井画には極楽浄土を描いた壮麗な彩色が施されていたことが復元模写により明らかになっています。
有清園と聚碧園という二つの庭園が三千院の大きな見どころです。有清園は杉木立の下に広がる一面の苔庭で、深い緑の絨毯の中に点在する小さな「わらべ地蔵」が微笑む姿は、訪れる人の心を和ませます。聚碧園は客殿から望む池泉回遊式庭園で、江戸時代の茶人・金森宗和の作と伝えられています。
大原は古来「声明(しょうみょう)」の発祥地として知られ、三千院では今も声明の修行と公演が行われています。仏教音楽の源流に触れることができる稀有な場です。6月には「あじさい祭」で境内約3000株のアジサイが咲き誇り、秋の紅葉は苔の緑との対比が息をのむほどに美しく、京都でも屈指の名所として写真愛好家を引きつけています。冬の雪化粧をまとった庭園もまた格別で、静寂の中に響く鹿威しの音が大原の山里の情緒を一層深めてくれます。
見どころ・おすすめ
国宝・阿弥陀三尊坐像
往生極楽院に安置された国宝の阿弥陀三尊坐像は、脇侍が「大和座り」という珍しい姿勢で来迎の瞬間を表現した平安期の傑作です。
苔庭のわらべ地蔵
有清園は杉木立の下に広がる一面の苔庭で、深い緑の絨毯の中に点在する小さなわらべ地蔵の微笑む姿が心を和ませます。
声明の里・大原
大原は仏教音楽「声明」の聖地です。聚碧園は金森宗和の作と伝わる池泉回遊式庭園で、客殿からの眺めが格別です。
基本情報
| 住所 | 〒601-1242 京都府京都市左京区大原勝林院町 |
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